『パソコン通信探偵団事件ノート パスワードは、ひ・み・つ』 松原秀行
推理ものの児童書をあれこれ読んでいる。
児童書に限らず、流行や歴史などをそれなりに整理してみたいと思っているので、いつかそれができればなと少しずつメモすることにした。
1995年に出版されたこの本。パソコン通信という言葉がすでに懐かしい。ダイヤルアップでパソコンを接続し、チャットをする話。電子機器を使って特別なことをやっているワクワク感は、当時の子どもだけでなく大人もとても楽しかったのではないだろうか。それだ非常によくかけていて、読んでいてとても楽しい。ワクワクする。時代遅れだとして読まないのはもったいない。
作者が推理ものが好きなのだとよくわかる。また、不思議な安定感というか、明るさがあって、健康的な読み応えがとてもいい。登場人物は才能を持っているし、女の子は美少女だし、主人公はモテる上に女の子に好かれることを自然と気にしているし、しかもそれぞれちゃんと抑制された描写で、ドライなのがいい。
最初から最後まである事件を描いているわけではなく、謎解きやパズルなど、頭脳ゲームの章と、探偵団が日常で出会った不思議なことを分析する章と、事件の章がうまく組み合わされていて、飽きない読み応えになっている。
パスワードは、ひ・み・つ―パソコン通信探偵団事件ノート〈1〉 (講談社 青い鳥文庫)
- 作者: 松原秀行,梶山直美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/06/15
- メディア: 新書
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