『壁塗り実例&実践百科』 ドゥーパ!編集部
壁塗り実例&実践百科 (Gakken Mook DIY SERIES)
- 作者: ドゥーパ!編集部
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2014/11/05
- メディア: ムック
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左官の技術の基本を紹介したものだが、それ以上に豊富な事例が特徴。図書館で借りて読んだ。
【実例の感想】
ムーミンハウスをイメージした家が印象的だった。丸い家で土台は重量ブロック。柱は5本で、それを特注の鉄の輪がおさえる。鉄の輪は直径3メートル。床は湿気が多いためフローリングをあきらめてたたきにしたとのこと。三和土(たたき)は土に消石灰と塩化マグネシウムを、3:1:1の割合で混ぜ、土間を叩くように施工する。ベンガラを入れると美しい。
平山寿恵さんのギルトセメントによる造形もすごかった。ギルトセメントは、発泡スチロールなどの骨材を入れ、スタイロフォームなどに塗る。彩色することで、木目や岩、レンガなどをかなりの完成度で再現することができる。
【技術のメモ】
ビニールクロスに珪藻土をぬるときは、タッカーでクロスをとめるとよい。また、タッカーのステイプル(針)は錆止めスプレーで処理しておく。確かにやった方が良いなと思った。
木に養生をするときは、マスキングテープを貼ってから養生テープを貼ると木に傷がつかなくて良い。また、養生テープをはがしたあとに、壁材が少し浮くので、鏝の先で少し押さえるようにすると仕上がりが美しくなる。
金属製の鏝で叩くようにして仕上げたスタッコパターンや、引きずり仕上げ、スパニッシュパターン、ハケ引きなどのパターンがあるのが面白かったが、やはり磨き仕上げを習得したい。
非電化工房の家を見てみたい。栃木県那須郡にあり、代表は藤村靖之。
【本作り】
本の作りは、まさにDIYむけ。マニアックなものではない。資材の紹介やぬり方などを書いてあるので必要十分だった。壁を塗る前にこれを見ておけばよかったと思うが、土佐漆喰を塗っているのであまり関係ないかもしれない。
情報量は多かったし、わからないときにためになりそうなので、買っても良いかもしれないが、ある程度知識があれば読み返ししなさそう。