くもり空の形而上学

ジャパンカルチャーや茶道、日常のことなど雑多に書きます

かなり昔のモンスター社員の話

だいぶまえの同僚の話。 その人は、女性の権利を守るとか、差別に反対するとか、大変立派なことをTwitterや友人たちには言っているようなんだけど、実際はかなり違った。 自分の仕事をほかの人に押し付けて、自分はさっさと帰ろうとする。 「それはないんじ…

Big sur が重い。 そんな方は、こうすればよいかも。

どうも。Fです。 職場で最新のソフトに対応する都合で、 macのosをBig sur にしたのですが、とにかく重い。 仕事にならないレベル。マジクソ。激重。 メールアプリ起動までに、(体感)5分。 メールを認識して表示されるまでに、(体感)10分。 日本語の…

編集者の心構え 開高健の「編集者マグナ・カルタ 9章」によせて

こんばんは。Fです。 尊敬し、恐れ多くも少しでも近づきたいと思っている編集者がいます。 Kさんとしましょう。 彼が、心に留めている言葉として、「森羅万象に多情多恨たれ」という開高健の「編集者マグナ・カルタ」に出てくる文章を挙げていました。「知っ…

『ふわふわの泉』は最高の小説のひとつ

こんばんは。Fデス。 皆さんは、サマセット・モームの、『世界の十大小説』をご覧になったことがありますか。岩波文庫だと、これだけで上下巻に分かれており、それだけでも読むのは大変です。この本を読んださきに、さらに10作品も読むなんて、それはまあ…

『女の子は本当にピンクが好きなのか』を読んだら分かりみがすごかった。

こんばんは。Fです。 堀越英美さんの高すぎる文章力が大好きで、『女の子は本当にピンクが好きなのか』を楽しみにしておりました。 買うべきなんでしょうけど、図書館で取り寄せていたんです。で、このご時世だから、つい先日、やっと届いたというわけ。 書…

『花木荘のひとびと』 高森美由紀

ネタバレも含みます。 花木荘のひとびと (集英社オレンジ文庫) 作者: 高森美由紀,カタヒラシュンシ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/12/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 面白かった。 悲劇の書き方がうまいなと思う。こはく、翔、昇平(…

『想像するちからーーチンパンジーが教えてくれた人間の心』 松沢哲郎

想像するちから――チンパンジーが教えてくれた人間の心 作者: 松沢哲郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/02/26 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 41回 この商品を含むブログ (11件) を見る 人間とは何かがテーマになっている。著者が学生の頃に…

『IKEAモデル』 アンダッシュ・ダルヴィッグ

IKEAモデル―なぜ世界に進出できたのか 作者: アンダッシュ・ダルヴィッグ,志村未帆 出版社/メーカー: 集英社クリエイティブ 発売日: 2012/11/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回 この商品を含むブログ (2件) を見る 仕事の都合で読んだ。仕…

『脳に刻まれたモラルの起源』 金井良太

脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか (岩波科学ライブラリー) 作者: 金井良太 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/06/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る 社会心理学では、倫理観を記述する概念とし…

『和える』 矢島里佳

和える-aeru- (伝統産業を子どもにつなぐ25歳女性起業家) 作者: 矢島里佳 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2014/07/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 仕事の必要上、また、伝統産業と現代的な感覚で起こした企業の結びつきが気になって読…

『近代政治哲学:自然・主権・行政』 國分功一郎

近代政治哲学:自然・主権・行政 (ちくま新書) 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/04/08 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る メモ・気になった点 ホッブズの想定する自然状態では、人間観の能力の差を克服可能な相対的…

『つながりを煽られる子どもたち』 土井隆義

つながりを煽られる子どもたち――ネット依存といじめ問題を考える (岩波ブックレット) 作者: 土井隆義 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/06/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 引用 私もアドバイザーとしてかか…

『社会を結びなおす』 本田由紀

社会を結びなおす――教育・仕事・家族の連携へ (岩波ブックレット) 作者: 本田由紀 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/06/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る これまでの家族・仕事モデルが通用しなくなったので、…

『百姓の江戸時代』 田中圭一

百姓の江戸時代 (ちくま新書) 作者: 田中圭一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2000/11 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (13件) を見る 学会で相手にされなかった怨みがあるように感じた。 文章が後半になるほど読みにくく…

『わたしたち消費』 鈴木謙介

わたしたち消費―カーニヴァル化する社会の巨大ビジネス (幻冬舎新書) 作者: 鈴木謙介,電通消費者研究センター 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2007/11 メディア: 新書 購入: 4人 クリック: 69回 この商品を含むブログ (52件) を見る メモ ・流行や大衆意識…

『初音ミクの消失 小説版』 cosMo@暴走P

初音ミクの消失 小説版 作者: cosMo@暴走P:原作 cosMo@暴走P 阿賀三夢也:作夕薙:絵 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2013/08/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る こ、これは……!(ネタバレを含むかもしれません) 久しぶりの至福の読書体…

『建築家なしの建築』 B・ルドフスキー

建築家なしの建築 (SD選書 (184)) 作者: B・ルドフスキー,渡辺武信 出版社/メーカー: 鹿島出版会 発売日: 1984/01/25 メディア: 単行本 購入: 7人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (29件) を見る 1964年にニューヨーク美術館で行われた展覧会を本にした…

『壁の遊び人』 久住章

壁の遊び人=左官・久住章の仕事 作者: 久住章 出版社/メーカー: 世織書房 発売日: 2004/12 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログ (3件) を見る カリスマ左官ということで気になって気になって仕方がなかった。図書館で借りて読んだ。まとま…

『マルクス入門』 今村仁司 

『マルクス入門』今村仁司 今回は簡単なメモ。 マルクス入門 (ちくま新書) 作者: 今村仁司 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2005/05/01 メディア: 新書 購入: 7人 クリック: 62回 この商品を含むブログ (56件) を見る マルクスは経済決定論的な読み方が主…

『想像するちから』 松沢哲郎

松沢哲郎『想像するちからーーチンパンジーが教えてくれた人間の心』 岩波書店 2011年2月25日 想像するちから――チンパンジーが教えてくれた人間の心 作者: 松沢哲郎 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/02/26 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 41…

『植物は考える』 大場秀章

12月 『植物は考える』 大場秀章 KAWADE夢新書 奥付 1997年9月1日 植物は考える―彼らの知られざる驚異の能力に迫る (KAWADE夢新書) 作者: 大場秀章 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 1997/08 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 『皮膚は考…

『パソコン通信探偵団 パスワードのおくりもの』 松原秀行

今回も面白かった。シリーズの始まりの前作から登場したまどかが、レギュラーメンバーとして参加。個性もはっきしてくれるし、まどかならではの事件も見所があってなかなか良かった。 前回同様、日常の不思議や、パズルなどを章ごとにテーマを変えて飽きさせ…

『パソコン通信探偵団事件ノート パスワードは、ひ・み・つ』 松原秀行

推理ものの児童書をあれこれ読んでいる。 児童書に限らず、流行や歴史などをそれなりに整理してみたいと思っているので、いつかそれができればなと少しずつメモすることにした。 1995年に出版されたこの本。パソコン通信という言葉がすでに懐かしい。ダイヤ…

『ピカピカのぎろちょん』 佐野美津男

ネタバレがあるので、ご注意を。名作が多く、波乱万丈な人生ゆえか、洞察も深い作品を書く佐野美津男。手に入るものはできるだけ読んだが、どの作品も面白かった。とにかく、えげつないものもきちんと書く胆力と筆力のある作家。 今の児童書界隈では少ないタ…

『フェイダーリンクの鯨』 野尻抱介

ネタバレも含みますので気をつけてください。 野尻抱介さんの『フェイダーリンクの鯨』を読みました。 すっごく面白かったんです。木星型惑星のリングが雪玉でできていて、その雪玉を投げて移動したり、ひし形のような虹が見えたり、とにかく目の前に見える…

空条承太郎が時を止めることについて

久しぶりの更新が、「JOJOの奇妙な冒険」という漫画のキャラクターについてです。 今回取り上げたいのは、第3部の主人公であり、人気キャラの空条承太郎。 彼の人気は、「スタンド」と呼ばれる特殊能力の圧倒的な強さによります。(それと、承太郎のクールで…

石州流 備忘録 濃茶 平点前

こんばんは。吹雪です。久しぶりに茶道の備忘録を書きます。 前回から濃茶の割稽古が始まりました。ちゃんとメモらないと、難しいので大変! 今回は、炉の点前です。 まず、茶入れの扱いですが、あまり持ち歩かないために、水差しの前にあらかじめ置いておき…

【読書感想】 レイさんといた夏 安田夏菜 

皆さんは、自分はいったい何者なのか、考えたことがありますか。 僕は、正直、あまりないのです。 やりたいことはいつもたくさんあるし、何事も器用にできたし、情熱をかけて読みたい本や、時間を忘れて没頭したいことは常にありました。 「自分探し」と聞く…

【読書感想】 一〇五度 佐藤まどか  

2018年初夏追記 最近、読書感想文を考えるために、このエントリーを読んでくださる方が少なくないようです。この過疎ブログをご覧になるくらいですから、感想を書けなくて困っている方ではないでしょうか。 コツというか、伝えたいことがあります。 『一〇五…

【読書感想】 『千の種のわたしへ』 さとうまきこ

児童書編集者にジョブチェンジをしたので、児童書をたくさん読んでいます。 児童書って、読みやすいですし、無駄な文章をそぎ落としているのでいいですね。 今回感想を書きつつご紹介したいのは、『千の種のわたしへ』(偕成社)です。 千の種のわたしへ 不…